2016年11月20日

ハンドルが溶けた話

そういえば書いてなかった今年の春頃のお話。

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春分も過ぎ、そろそろ冬ビブの季節も終わりかなという3月後半の土曜日。
当時は富士ヒルへのモチベーションも高く毎週のように山をガンガン上っていたのですが、この日はたまたま都合のつかない人が多かったので、私とドテチンのデュオでの走行でした。

お互いの自走で行ける範囲の関係で、久しぶりにして2回目となる六甲山へ挑むことに。
逆瀬川駅の近くで集合して早速六甲逆瀬川コースのヒルクライムスタート!

久しぶりの六甲はこんなに上りやすかったかな? という印象。
というのも初めてになる2015年の挑戦はゴールデンウィークの真っただ中で、交通量がめちゃくちゃ多く、さらには工事関係の交互通行区間が数か所あって正直印象は最悪でした。

そんなわけでずっと回避していたのですが、普段の週末に上る分には路面状況や交通量はむしろ良好な部類でした。
ただまあ、ご存知の通り京阪神の中では距離も勾配も骨が折れるスポットとして有名ですので、肉体的には大変つらかったです……。

1時間ほどかけてゴールの茶屋に到着し、今回はここでUターンせずそのまま三宮方面へ下っていきます。
逆瀬川コースほど有名ではありませんが、三宮駅にほど近い再度山(ふたたびさん)から上るコースも行っちゃおうという計画です。

上り切ったはずなのに何故か上るダウンヒル(?)を進み、途中2回ほどあった分岐を地図で確認しながら下りていきます。

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東西を走る西六甲ドライブウェイから奥再度ドライブウェイに左折すると一部の道が結構な勾配&減速帯が施されています。
しかもこの減速帯、かなりの厚みがあり車体はガクガクと上下に揺さぶられるのです。

下りにくいなぁ嫌だなぁ……と思いながらブレーキを強めにかけて進んでいると急に強烈な違和感。

ハンドルを握っている手の位置がグラっと前の方に傾いたのです。


(!!?)
(なんだこれなんだこれ!?)
(衝撃でステムが折れたのか???)
(いや、くっついてる??)
(折れたというよりむしろこれは……)
ちょ、ちょ待って!!うわあぁああぁぁ!

パニックに陥りながら手元の違和感の正体も把握できず、ブレーキも上手く握れなかったのですが、先に十分減速できていたのでこれ以上加速する前にと、半分自分の意思で落車と相成りました。


はるちん大丈夫か!!
急にどうした!?
いや、ハンドルが……。
ハンドルが?
ハンドルが溶けた。

そう、ステムも折れていないし感覚としてはハンドルがグニャリと溶けたとしか言いようがないのです。


・・・・・・。
ハンドルは溶けません。
ハンドルが溶けた!!

しかし実際に自転車を確認してみるもパッと見でおかしなところはありません。
原因は気になりますが軽く膝も負傷してしまったので、とりあえず処置をしようということでボトルの水で洗い流してから麓のコンビニへ向かいました。ちなみにこの残り1〜2kmほどの下りでも異常は見当たらず……。

怪我の方はコンビニでキズパワーパッドを買ってチャチャッと処置。
ええ、ビブタイツは膝に穴が開き、お尻の縫合部は裂けてお亡くなりになりました(帰りは尻をチラ見せしながらセクシーに帰りました)。

そして肝心のヘッド周りをチェック。
ハンドルに体重をかけてグッグッと押し込むと。

……グニャッ。


これやな。
あっ、溶けた
溶けてません。

そう、ハンドルを留めているステムのボルトの締め付けが不足しており、減速帯で繰り返し過重がかかることでハンドルが前側に徐々に回転。 実際に乗車していた私の感覚として、ハンドルがグニャリと溶けたような錯覚に陥ったのです。

答えを知れば単純で馬鹿らしい話ですが、運転中に操作の要であるハンドルが予期できない状態になるというのは本当に恐怖でした。

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その日は強めにステムを締め付け、怪我も自走できるレベルだったので六甲山を西から越えて無事に帰宅。
と同時に速攻でトルクレンチをポチりました。

ロードバイクの各パーツのボトル締め付けには指定トルク(締め付けの強さの単位)というものがあり、足りなければ今回のようにハンドルが溶けたり緩んだり、最悪の場合は走行中に取れてしまうなんてことも。
逆に締め付けが強いとパーツに負荷がかかり割れてしまうこともあるそうです。特にカーボンパーツは金属製に比べて繊細なので、指定されたトルク値で締め付けるのが絶対だそうです。
他にはSTIレバーなんかだと指定トルクがあえて弱めになっていて、倒してしまったときの衝撃を逃がすようになっています。ガッチリ留めてしまうとダメージが全てレバーに伝わり破損しやすくなるとか何とか。

とまあ身をもって知った指定トルクは大事って話なんですが。
全部お店でやってもらうというのも手ですし一番確実ではありますが、ちょっとサドルを上げ下げしたいとか、経年で自然に緩んでくることもあるので、ちょこちょこ自分で弄ったり点検するなら持っておいた方がよいかなと思います。

 → BIKE HAND YC-617-2Sコンパクトトルクレンチ

さらに確実性を増すならファイバーグリップというものもあります。
締め付け部に塗ることで摩擦係数を上げて滑りにくくするという、滑り止め剤です。特にカーボンパーツは負担を減らしたいので、こちらを塗りつつ指定トルクの下限側で留めるといいのかな。
自分は今回のこともあったしビビリなので指定トルク内で強めに締め付けてますが……。

 → FINISH LINE ファイバーグリップ

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というわけで実はハンドルは溶けていなかった話でした。
安全、確実なロードバイクライフを。

▽減速帯はトラウマ▽
posted by いなはる at 20:59| Comment(2) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする