2017年01月11日

カーボンフレームが損傷したっぽいのでなんとかしてみた

もう11日になりますが新年あけましておめでとうございます。
年末にも申し上げましたが、今年は事故や怪我のないようにそこそこに頑張っていきましょうということで。

さて一発目のネタとしてはあまりめでたくないというか、気持ちがボコボコに沈んだ年末の事件についてお話ししたいと思います。

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12月某日、久しぶりに日吉ダムまで走りに行ったのですが、凍結防止剤を含んだウェットな路面を通ったがために帰宅すると自転車はまだらに白い無残な姿に。
汚れだけなら拭き取ればいいのですが、成分は塩化ナトリウムですので中途半端な掃除では色々マズいように思えます。

そんなわけで自転車をひっくり返し前後のホイールも外してがっつりと掃除&メンテナンスに取り掛かりました。

フンフンフーン♪(←掃除が嫌いではない)
ブラシで砂や泥を落とし、濡らしたウエスで凍結防止剤をしっかり拭き取り……

フレデ(ツツッ)……お?
左側のシートステーを拭いているとウエスが何かに引っかかるような感覚。 汚れているとはいえ、ツルツルのフレームに引っかかる要素はないはずです。



んん……?



……。

ほ……



ほぎゃああああぁぁぁあぁぁぁあああ!!!???!?!??!???

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はい。

そういうわけで僕らもがんばらなあきませんなー言うとりますけども。

……。

シートステーが割れていました。

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まっっったく身に覚えがないんですよね。

発覚の経緯の通り、ウエス越しでも触れればわかる傷。
最低でも月1回はしっかり掃除してるので長期間気付かなかったとは考えにくいですし、ここ最近倒したり何かにぶつけた記憶もありません。
場所も左側シートステーの中心から少し上、内側寄りの後方といった「あまり何かに当たりそうにない」ところ。

よくフレーム購入の際にカーボンは弱い、割れたら終わりなんて脅しを耳にしますが、まさか自分の身に降りかかるとは思いませんでした。
ガラスのような扱いをしていたかと言われるとYESとは言えないなりにも、普通に丁寧に扱っていたはず……。

まあ原因を考えても栓無いことですし、ヒビのような傷が入っているのは事実です。さすがに気付かなかった振りをして乗るわけにもいかず、何かしらの対応をしなければなりません。

見た目の格好悪さならあまり気にしない性格ですが、自転車と言えど命を預ける乗り物です。このまま負荷がかかり続ければ損傷個所からヒビが広がり断裂、大事故にもつながりかねません。

というわけで選択肢としてはこんな感じ。

1・フレームを買い替える
2・プロの業者に任せる
3・自分でなんとかする

(1)はまだ買って1年だしさすがに(いやでも冬ボーナスが出るな……)いやいや論外。……論外だって言ってるだろ!

(2)は有名どころだとカーボンライドジャパンという会社が定番らしく、施工例を見ていると強度の復元はもちろん、まるで傷などなかったかのようにきれいに修復してくれるようです。
しかし料金を見てみると小さな傷の修復でも4〜5万円、さらにコンポを取り外す必要もあるのでオーバーホールに近い工賃が必要らしく、ネットで似たような症例の人を見てみると10万円近くかかってしまうようでした。

さて(3)、自分でなんとかするという選択です。
結論としてはこの方法を選んだのですが、ついさっき自分で「命を預ける乗り物」と言った手前、素人の仕事で片付けてしまうのは憚られます。
というか、このトピックを少し寝かせていたのもコメント欄に正論が並びそうだな〜……と腰が引けていたせいなんですよね。
いや分かってますねん……プロに任せた方が確実だとか、万が一のことがあるとか、誰に迷惑をかけるかわからないということは分かってますねん……。

まあまあ色々とツッコミどころは多いかと思いますが、予算的な問題、傷のサイズ、同じ症例の人によるレポート、素人の処置で期待できる強度、などなど……調べて考えて「自分でなんとかする」に至りました。

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修理の方法を簡単に説明すると「カーボンシートを樹脂で巻きつける」、これだけです。
とはいえ色々準備や工程がありますので、先人のブログなどを参考に準備した材料がこちら。

紙やすり
・養生テープ
カーボンシート(10x10cm)
エポキシ樹脂
・PPクリアファイル
・貼るカイロ
・ハケ(15mm)

実質的な材料としてはカーボンシートとエポキシ樹脂だけ。他のはそれをステーに巻き付ける補助的な道具となります。
全部で6000円くらいでしたので上手くいけばプロに任せる15分の1ほどのお値段!

それでは実際に「なんとか」していきましょう!

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まずは傷とその周辺にヤスリをかけていきますが外でやるならともかく、屋内なら粉が飛ぶのでブルーシートなどは必須
はい、シートステーにしっかり描かれている「ARGON18」のロゴを泣きながらガシガシ削っていきます……。

これは塗装を剥がしてカーボンシートを固着させやすくするためと、実際のダメージのほどを確認するためです。
塗装だけ割れていてフレームは無事というケースや、逆に表面は小傷だけど中は深刻だったなんてパターンもあるみたいですので。

ちょろっと削って中が悲惨なことになっていたら流石に諦めるか……と考えながら塗装の層を削り終えるとうっすら傷は見え……いや消えた?え、でもどうだろ……みたいな微妙な感じで、どうにもとても貫通するようなレベルではなく、範囲も外から見えていたのと変わらない感じでした。

う〜ん……塗装だけだったのか?杞憂だったのか?と首をかしげながらもここまできたらやることはやります。いよいよシートを巻いていくのです。

ここで活躍するのが過去に多くの素人修復を助けたであろう「エポキシ樹脂」です。
専門ではないので簡単になりますが、樹脂の主剤と硬化剤を混合することで非常に接着力と強度が高く、また外的な要素への耐性も強い接着剤となる、今回のようなリペアにはうってつけのナイスなやつです。
特にカーボンシートとの相性はいいようで、正しく施工できればガチガチに固まってくれるそう。逆にポリプロピレンには全く接着できないので、その性質を利用してクリアファイルを作業の台紙や上から押さえつける道具として利用していきます。

ではエポキシ樹脂を使ってカーボンシートを貼りつけるわけですが……これがめちゃくちゃ大変でした。
この炭素繊維を編んだシート、もうフニャッフニャのサラッサラのパラッパラなんです。

繊維一本一本が非常に細く、また摩擦も小さいためか何をするにも端からほどけてバラバラになっていきます。
ハサミでカットすると切った端からほどけ、ハケで樹脂を塗るとその動きだけで歪んでほどけ、それを持ち上げようとするとクグシャグシャっと海苔の佃煮のような固まりになろうとしやがります。

そんなわけで一番のメインとなる作業なのですが、写真を撮るような余裕も皆無(基本的に写真を掲載しないブログなのでセーフ)。
作業そのものが大変だったのは置いといて、実際の工程としては以下のような流れです。

・カーボンシートをクリアファイルに挟んで3x10cmくらいの帯状にカット
(そのまま切るとほどけるのでクリアファイルで形を保持する)

・エポキシ樹脂の2剤を付属の容器で説明書通りの配分で混合

・別のクリアファイルの上にカーボンシートを乗せ、ハケで樹脂を塗りつけるのではなく、ちょんちょんとつつくように含ませていく
(塗ろうとするとその力で繊維がほどけていく)

・すぐに持ち上げようとするとフニャフニャでとても持てないので15分ほど放置。ほどけないくらいに固まったところでフレームの該当箇所と、シートにも再度樹脂を塗ってから包帯のように巻いていく

・巻き終わったらカーボンシート同様帯状にカットしたクリアファイルを上からギュッギュと巻き付け、端を養生テープで固定

・固定できたらカイロを貼って12時間放置!


自転車は温めれば治る
ポイントはカーボンを巻いたあとにクリアファイルなどで空気を抜きつつしっかり固定することと、エポキシ樹脂の硬化に適した50〜60度あたりを維持することだそうです。

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12時間後──。

はてさてホホ〜ン
おおっ


正直グシャグシャの毛虫みたいになってても仕方なしくらいに構えていたのですが、クリアファイルをペリペリ剥がすとツヤツヤでツルツルになったカーボンシートの姿が!
ギュッと押し込んでもへこみませんし、見た目だけでなく接着と硬化もバッチリできているようです。

ただ巻いているときにあまりの難しさにテンパったせいで、上下の養生テープまで浸食してしまったようです。
幸い養生テープも樹脂が接着しない素材だったので引っ張ったら簡単に取れたのですが、その端の部分にテープ一枚分の隙間ができたので処理していきました。

削ってるときに浮いたカーボンの端材を手にしたところ、極薄なのに樹脂で固められるとものすごく強靭になっていました。糸状になったまま硬化したところなんて指に刺さる勢いです。

さて仕上げてしまいたいところですが、どうしても端の方がきれいにならなかったことと、念には念を入れたいという理由で翌日もうひと巻きしました。
フレームには再度12時間お休みいただき、カイロとクリアファイルを剥がすと今回もツルっときれいに硬化させることに成功。
一度目のときはそこまで気にならなかったのですが、極薄のシートとはいえふた巻きすると多少ポコっと厚みを感じるくらいになっていました。
まあクリアランスには全く問題ないですし、それだけ強く補強できたと納得することにします。

今度こそ仕上げとなりますので、400→800番くらいのヤスリで全体を磨いていきます。
磨いたところから繊維がむき出しになりパラパラと剥がれるんじゃないかと心配もしましたが、念入りにヤスリをかけた両端でもそんなことにはならず、サラサラとした手触りになりました。


まあ及第点ということで。


間近で見るとカーボンの目が歪んでいたり、フレームとの境目が汚くなっていますが、まあまあ最終的に上手いこといったんじゃないでしょうか。

何やら耳に挟んだところ、エポキシ樹脂は紫外線にあまり強くないようなのでコーティングしたほうがよいようです。カーボンシートとの混合なので強度はへっちゃらみたいですが、表面が白くなってくるかもとのこと。
また覚えているうちに何か適したものでスプレーなり塗装なりしておこうかと思います。

ARGON18がAR'8になってしまったけど本当に良かった……。

本当に良かった(真顔)
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というわけであわや大出費という不幸でしたが、不器用なりにも自己解決に至ることが出来ました。
強度については指で思いっきり押しても大丈夫ですし、補修後3回ほど乗りましたが全く問題も違和感もありません。

まあ100%安心はできないというか、実は内部でヒビが広がっていってるなんて可能性もありますので、当分はライドの度に指で押したりコインで打って音に異常がないかなど確認していこうと思います。

今回のやり方は自己責任ですし人にお勧めできることでもないので、こういう処置をした人もいるという程度で笑い飛ばしてくださいませ。

カーボンは割れる(格言)
今年一年、何事もありませんように……。

▽近いうちに落車したら察してください▽
posted by いなはる at 16:42| Comment(8) | 機材・グッズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする