2015年06月18日

富士ヒル90分切れんのか! 当日後編

参加までの経緯
富士ヒル90分切れんのか! 準備編
富士ヒル90分切れんのか! 前日編
富士ヒル90分切れんのか! 当日前編

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10km地点を越え、90分切りへの貯金は約30秒。
大幅に遅れることもなく、飛ばしすぎているわけでもなく、ブロンズを狙うのであれば理想的なペースで進めているようです。

ただ前回お伝えしたとおり、FTPとパワーメーターが正しいのであれば、いつ限界が来てたれてしまうか分かりません。
しかし今さら焦っても怠けても仕方ないので、出力が大幅にぶれないよう勾配に合わせたペースを維持します。

昨日試走したとおり中盤でも勾配がかなり緩む区間があり、そういった場所では休みたくなる気持ちをぐっと抑え、ギアを上げて速度を上げタイムを稼いでいきます。
今回は運良く飛ばす人が見つかったので、ありがたいありがたいと恥も遠慮も捨てて無賃乗車していくスタイルです。

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異変、というか来るべくして来てしまったのがちょうど折り返し地点を過ぎた辺り。
身体にかかっている負荷は変わっていないように感じるのですが、勾配がきつくなると分かりやすく並走していた人たちが先行していきます。

じわりじわりとペースは落ち、「止まってしまった」という程ではないにしろ、確実にたれ始めてしまいました。
10km地点で30秒もあった貯金は17km地点でほぼゼロに。さらには19kmで+15秒、20kmで+30秒と借金がどんどん膨らんできました。

これはマズいと挽回したいところですが、やはり250wの維持は無謀だったのか、ペースを上げようにも思うように脚が回りません。
しかも残り距離は4km。勝尾寺ほどの距離を残していると考えると「根性でのラストスパート」をかけるには早すぎます。

無茶をせず、かといってこれ以上借金を増やさないよう、心許ない自分の感覚だけでギリギリの出力を維持。
唯一残された希望はラスト2kmの平坦区間。そこで一気に借金を返済できれば、最後の残り500mはそれこそ根性でのラストスパートで何とかなるかもしれません。

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平坦区間に入る直前、いよいよ借金は40秒まで膨らんでいました。

はるちん頑張れ!

このあたりでひとつ後ろのウェーブでスタートしていたゴルさんに抜かれます。
これは想定していた、というか予想以上に追いつかれるのが遅かったという感想。ゴルさんもスタート前は「82分、あわよくば70分台」を目標にしていたので、やはりネットの情報や机上の空論では計れない、富士の厳しさに苦戦しているようです。

体力も尽きかけたこの終盤で40秒遅れという状況はそこそこに絶望的でしたが、NESTのジャージが視界に入り少しだけ気力も回復。91分も100分も同じだと言いましたが、出せるものは出し尽くそうと気合いを入れ直します。

そしていよいよ平坦区間に突入。
最後のチャンスはここだと、壁になりそうな選手を探します。そしてここでも運良く並走していた自転車が加速。見知らぬローディと自転車の神に感謝しつつ、無賃乗車を決め込み速度を上げていきます。

30km/h強で引いてもらっていたのですが、しばらくするとチラチラとこちらの様子を伺ってきました。

……(チラッ)
……。
……スッ(右にずれる)

これはプロのロードレースでもよくある「引けよ!」の合図!!

弱虫ペダルなど読んでる方ならご存じだと思いますが、交代で前を引くことによってお互いの負担を半減し、より速く走るという「協調」を促してきたのです。

……。
……スッ(右にずれる)
……(チラッ)
……!?
……スッ(左にずれる)
……スッ(左にずれる)

いなはる氏、先頭交代を頑なに拒否。

糞虫ペダルと呼ばれようが今は自分のタイムが最優先。申し訳ない気持ちもありますが、ぴったりと後ろに付いたまま体力の消費を最低限に抑えます。

そのままの速度で巡航していると「右通ります!」の声と同時に隣のラインからさらに高速の列車が通過。4人、5人と次々と横を通り抜けていきます。
もうなりふり構っていられない私は、ここで無賃乗車からキセル乗り換えの糞虫コンボを達成。

明らかに速くなった列車の速度は、あとから確認するとなんと39km/h。平坦で引かれる側とはいえ、23kmを登り続けたあとでこんなに速度が出ていることに驚きです。

速度もあり平坦区間はあっという間に終了。
ゴールまで500m、最後の登りが始まります。

引かれているときは前の自転車と距離を詰めていたので、タイヤがはすらないように神経を集中。そのためサイコンを見る余裕がなかったのですが、登り始めに確認をすると、表示された経過時間は88分を過ぎていました。

早めにスタートを押しているので、表示タイムより10〜20秒ほど余裕があるはずですが、ギリギリもギリギリ。
いや、逆に平坦区間で「ギリギリ間に合うかもしれないところまで持ってこれた」というのが正しいでしょう。

タダ乗りさせてもらったローディたちに感謝しつつ、ここからは誰の力を借りることもできず最後の踏ん張り。
脚は完全に売り切れているし心拍もほぼ限界、ロキソニンを飲んでいるので痛みはないですが「痛み」だけがカットされた慣れない感覚が腰と膝、太ももから伝わってきています。

ゴールラインが目に入り、沿道から鳴り物と合わせて「頑張れー!」だの「もうちょっとだー!」といった声が聞こえますが、こちらとしては「てめえは頑張ってねえくせに適当ほざくなボケ!」状態。
こういう限界に追い込まれたとき人の本心が出てくるんだなぁ。

残り100mを切ったかという辺りで、視界の周りが白くなり始めるというスポーツ漫画みたいな現象に襲われます。

そして、本当に「あとゴールが30m先にあったらぶっ倒れていた」というような状態でゴールラインを通過。
距離24km、標高差1245mの富士スバルラインをフィニッシュすることが出来ました。

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タイムはというと、それすらも頭から飛んでいて、サイコンを止めたのがゴールラインを割ってから1〜2分経ってから。
最後の登りでもがいてる間はほとんどサイコンを確認できておらず、残り200mあたりで89分30秒を確認したのが最後。さらに何度もお伝えしているとおり、サイコンと実際の計測に誤差があるため、本当に90分を切れたか分からない状態でした。
スマホで各自の速報タイムを確認できるサービスもあるのですが、一切の荷物を預けなかったので手元にスマホもなく。というかあってもバキバキに割れてるんですけどね。

同時刻帯にゴールしたゴルさんとかみやんと合流し、しばし5合目で息を整えます。
文字通り一歩も動けず、太ももがピクピクと震え、視界もしばらく白んでいました。タイムも気になりますが、本当に全部を出し切れたことを喜びます。

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元来たルート24kmを、寒さに震えながら一気に下り麓の会場へ。
待ち合わせ場所でチャリ部と合流し、各自タイムを確認していきます。

85分。思った以上に厳しかったな。
無理でした。
無理でした。
無理でした。
え、お前も!?

ほぼ確実と思われていたかみやんまでまさかのブロンズ逃し。
ゴール後の5合目で会った時も余力がありそうでしたし、本人の弁としても明らかにペース配分を見誤ったそうです。

やはり我々が始めて経験した24kmという超級山岳。脚力や心肺能力といった体力面だけで決まるのではなく、少しの戦略ミスで明暗が分かれてしまったようです。

あのあの、スマホを貸してください……。

例によってスマホが死別しているのでドテチンに借りてチェック。



……。



……!



……とった。



……獲ったぞー!!!!



ほぼ諦めていたブロンズに手が届いていました!
スタート時のフライング計測が思いのほか早かったようで、大会側で計測された最終タイムは89分49秒。ギリギリのところでブロンズ、90分切りを達成したのです。


……。
めっちゃうれしい!めっちゃうれしい!!
……気に食わん。
なんでや!!

出されたオーダーを見事に達成したというのにこの仕打ち。
田所さんを連れて帰ってきた小野田君だって金城さんから「気に食わん」なんて言われたらロードバイクやめますよ。

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というわけで目標だったブロンズ獲得は成功。
感想戦や反省会、下山後に姿の見えなかったプロの行方などはまた次回にお伝えします。

反省編はこちら

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posted by いなはる at 20:32| Comment(10) | ライドレポ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ブロンズ獲得おめでとうございます。
読んでいるこちらも思わず手に汗握るギリギリの戦いだったようですね。
思わず呆れ返ってしまうほど(笑)過酷なチャリ部の特訓ライドの成果でしょうか。
それにしてもロードに乗り始めてこんな短期間でヒルクライマー憧れのブロンズゲットとは見事の一言です。
今後はいなはる師匠と呼ばせて下さいw
Posted by やまちゃん at 2015年06月18日 21:05
車内でも言ったけど「運動してこなかった私がロードバイク始めてから半年でブロンズ獲った方法」という本を出版しよう。
Posted by かみやん at 2015年06月18日 21:12
やまちゃんさんこんばんは!

ギリギリの戦い部門があれば上位入賞を狙えるくらいギリギリという結果になりましたね……。最後の上りで心が折れていたら多分90分数秒という結果になっていたかと思われますw

師匠なんてとんでもない!平均くんをバタバタ倒しているやまちゃんですから、参加されていたら僕より余裕でブロンズ取れていたと思いますよ!来年はブロンズといわず70分台目標で参加してくださいw
Posted by いなはる at 2015年06月18日 21:39
こんばんはかみやん!

これも車内で言ってたけど「4日目に100km走ります」でみんな本をそっ閉じ。まあ無茶なコースを引きずり回された半年だったけど結果につながってよかった!
Posted by いなはる at 2015年06月18日 21:40
初めましてm(_ _)m
目標達成おめでとうございます。
同じ北摂で走ってはるかたが同じ大会で頑張ってるのを楽しく読ませてもらいました。
北摂走ってはるならまたどこかでニアミスするかもしれませんね!
その時はよろしくお願いします。
Posted by sunzoku1号。 at 2015年06月19日 03:59
おめでとうございます
前編で88分台を予測していたのでヒヤヒヤしましたでw
今年は単走と決めていたのですが、周りを見て展開する方がレースとして楽しいですよね
リング早く送ってきたらええですなぁ!
Posted by ザク豆腐 at 2015年06月19日 04:52
sunzoku1号。さんはじめまして!こんにちは

私も1号さんはじめ、OHCのみなさまの活動はブログを通して楽しませて頂いております。というかみなさん豪傑揃い恐れ戦いていますw

梅雨の時期で今週末も天気が怪しいところですが、今後も北摂には出向いていくつもりですのでお目にかかったときはよろしくお願いします!
Posted by いなはる at 2015年06月19日 12:30
ザク豆腐さんこんにちは!

ありがとうございます!
そして改めてザク豆腐さんも大きな余裕を持ってのブロンズゲット、おめでとうございました。

後半たれはじめたときは本当にどうなることかと絶望と希望の間をさまよっていましたw 達成できたのは、お世辞でも何でもなく例のペース表によるところが本当に大きいです。本当にありがとうございました!
来年こそ富士でお会いしましょう!
Posted by いなはる at 2015年06月19日 12:34
こんにちは。
ブロンズおめでとうございます!
ブログの記事全部読ませて頂きましたがロード乗り始めて1年経っていないのに凄いですね。
やはりいつも山を攻めておられるから知らぬ間に鍛え上げられているのでしょうか…?
このブログ見てると自分も家から勝尾寺まで10kmちょっとなのでチャレンジしてみようかなとか無謀な気持ちが…。
しかし、チーム内でのいなはるさんの扱いに毎回笑いますw
Posted by ぱら at 2015年06月19日 13:14
ぱらさんこんにちは!

よくもまあこんな無駄にテキスト量のあるブログを……。感謝を通り越して申し訳ない気持ちです。

週末ともなると毎回ヒィヒィ言いながら山に登っていましたが、結果的に良いトレーニングになっていたようですね。あんまり認めたくはないですがw

ぱらさんはあまり山には行かれないんですか?
勝尾寺は距離で4kmほど、勾配も5%ちょっとでほぼ一定なので、北摂ロード乗りの間では初心者向けとして人気のようです。ぜひ一度お試し下さい!
Posted by いなはる at 2015年06月19日 15:45
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